受賞等
佐野 輝男氏の「第110回日本学士院賞」受賞について
本会会員の弘前大学農学生命科学部教授 佐野輝男氏が、「第110回日本学士院賞」を受賞されました。受賞の対象となった研究業績は「ウイロイドに関する研究」です。世界のウイロイド学を先導し、植物病理学等の学術上のみならず、植物保護・検疫等の実用的分野にも大きく寄与するものと評価されました。
日本学士院は,学術上功績顕著な科学者を優遇し、学術の発達に寄与するため必要な事業を行う機関として設置されています。本賞は、明治11年以来の歴史を誇り、我が国で最も権威ある学術賞のひとつです。
渡邊 健氏の「平成30年度農業技術功労者表彰」受賞について
本会会員の茨城県農業総合センター農業研究所長 渡邊 健氏が、「平成30年度農業技術功労者表彰(農林水産省農林水産技術会議会長賞)」を受賞しました。業績名は「難防除土壌病害の環境保全型防除技術の開発」です。平成30年12月14日に表彰式が行われました。農業技術功労者表彰は、農業その他関連産業に関する研究開発の一層の発展及び農業技術者の意欲向上に資するため、農業技術の研究若しくは普及指導又は農業経営関係の研究若しくは改善指導に顕著な功績があった者に対して授与されます。
写真(左):表彰式の様子、写真(右):「平成30年度農業技術功労者表彰」受賞者
岩舘 康哉氏の平成30年度(第14回)「若手農林水産研究者表彰」受賞について
本会会員の岩手県農業研究センター環境部病理昆虫研究室主査専門研究員 岩舘 康哉氏が、平成30年度(第14回)「若手農林水産研究者表彰(農林水産技術会議会長賞)」を受賞しました。業績名は「キュウリホモプシス根腐病の総合防除対策の確立」です。平成30年11月21日に表彰式が行われました。若手農林水産研究者表彰は、農林水産業及び関連産業に関する研究開発の一層の発展及び研究開発に従事する若手研究者の研究意欲の一層の向上を図るため、優れた功績をあげた若手研究者又は将来の技術革新等につながる優れた研究業績を挙げた若手研究者に対して授与されます。
写真(左):表彰式の様子 右から小林芳雄農林水産技術会議会長、岩舘康哉氏、写真(右):平成30年度(第14回)「若手農林水産研究者表彰」受賞者
名誉会員・露無慎二氏のISPP フェロー受賞について
名誉会員の露無慎二氏がICPP2018におきまして、ISPP(International Society for Plant Pathology)フェローを受賞されました。ISPPの評議員会は同氏の植物病原細菌の感染機構に関する分子生物学的研究における優れた成果による植物病理学への学術的貢献とISPP、アジア植物病理学会、日本植物病理学会に対する多大な貢献に対して、ISPPフェローの称号授与を決定し、2018年8月3日に授与式が行われました(関連記事→学会ニュース第84号)。
写真:授与式の様子 右からISPP 現会長Greg Johnson 博士、露無氏、ISPP 次期会長Jan Leach 博士
日本学士院賞
東京大学教授 難波成任氏が日本学士院賞を受賞されました。日本学士院賞は明治43年に創設され100年以上の歴史を誇り、学術上特に顕著な研究業績に対して与えられる賞であり、ノーベル賞受賞者が多数名を連ねる我が国で最も権威ある学術賞のひとつです。
受賞対象の研究題目は「植物病原性細菌ファイトプラズマに関する分子生物学的研究」です。難波教授は東京大学 植物病理学研究室において世界に先駆け発見された植物病原細菌ファイトプラズマに初めて分子のメスを入れ、分子系統分類上の位置を明らかにしました。次いでその全ゲノム配列を解読し、ファイトプラズマが究極の退行的進化を遂げた微生物であることを明らかにしました。
得られたゲノム情報にもとづく分子生物学的研究によって、感染植物の篩部に寄生したファイトプラズマが、栄養分を収奪するほか、天狗巣症状を引き起こすTENGUペプチド、花の葉化症状を引き起こすファイロジェンなどの特異的病原ペプチドを分泌産生することを見出し、その病原性誘導機構を解明しました。またその感染が、ヨコバイなどの吸汁性昆虫の特定の種によって媒介されるしくみを究明し、それまで不明であったファイトプラズマ病の全容を明らかにしました。
さらに、ファイトプラズマ病は途上国を中心に世界中で農業生産に甚大な被害をもたらしていますが、感染植物を早期診断する迅速・簡易・高感度・安価かつ冷凍・冷蔵の不要な診断キットを開発・実用化しました。
これらの研究業績は植物病理学の理解を深め、植物病の根絶に大きく貢献するものであり、学術上・実用上寄与するところが大きく、世界中で高く評価されています。授賞式は2017年6月12日に東京・上野の日本学士院にて行われました。
日本学士院賞や受賞理由の詳細についてはこちらを御参照ください。
米国微生物学アカデミー会員 AAM Fellow
東京大学教授 難波成任氏が、米国微生物学アカデミーの会員に選出されました。2015年6月2日の第115回米国微生物学会において、セレモニーが執り行われました。
米国微生物学アカデミーは、世界の微生物学研究をより一層発展させ、優れた研究成果を広く社会に公知させる目的で、米国微生物学会により1955年に設立されました。米国微生物学会は、1899年に設立された、生命科学分野において最も歴史ある学会であり、約43,000人の会員を擁する世界最大の学会です。
米国微生物学アカデミー会員は、卓越した独創的研究成果により微生物学分野の発展に貢献した科学者の中から選出されます。これまでに約2,700名の著名な科学者が選出されており、日本からは過去に31名が選出されています。
米国植物病理学会賞 APS Fellow
本学会会員・白石友紀氏(現 岡山生物科学研究所所長)が、2014年、米国ミネアポリス市で開催された「米国・カナダ合同植物病理学会」において、米国植物病理学会賞 APS Fellow を受賞されました。
写真:受賞された白石友紀氏
受章等
瑞宝重光章
名誉会員の本田雄一氏が、平成30年春の瑞宝重光章を受章されました。
※瑞宝重光章は「公務等に長年にわたり従事し、成績を挙げた方」に授与されます。
瑞宝中綬章
名誉会員の露無慎二氏が、令和5年度春の瑞宝中綬章を受章されました。
名誉会員の奥田誠一氏が、令和4年度秋の瑞宝中綬章を受章されました。
永年会員の荒井 啓氏が、平成30年春の瑞宝中綬章を受章されました。
名誉会員の道家紀志氏が、平成27年春の瑞宝中綬章を受章されました。
鳥取大学名誉教授甲元啓介氏が、平成25年秋の瑞宝中綬章を受章されました。
日本植物調節剤研究協会理事(元九州農業試験場長)小川奎氏が、平成25年秋の瑞宝中綬章を受章されました。
※瑞宝中綬章は「公務等に長年にわたり従事し、成績を挙げた方」に授与されます。
瑞宝小綬章
永年会員の稲垣公治氏が、令和4年度秋の瑞宝小綬章を受章されました。
永年会員の比留木 忠治氏が、平成30年春の瑞宝小綬章を受章されました。
名誉会員の近畿大学名誉教授 大内成志氏が、平成25年秋の瑞宝小綬章を受章されました。
※瑞宝小綬章は「公務等に長年にわたり従事し、成績を挙げた方」に授与されます。
瑞宝双光章
永年会員の勝部利弘氏が、平成30年秋の瑞宝中綬章を受章されました。
※瑞宝双光章は「公務等に長年にわたり従事し、成績を挙げた方」に授与されます。
紫綬褒章
東京大学教授 難波成任氏が、平成25年秋の紫綬褒章を受章されました。
写真:受章された難波成任氏を囲む研究室の方々
※紫綬褒章は「学術芸術上の発明改良創作に関し事績著明なる者」に授与されます。
※本欄で紹介している内容は、原則として日本植物病理学会報の本会記事または学会ニュース記事を元に作成しております。ご意見、ご助言等につきましては、までお願いいたします。