平成7年12月〜平成8年5月の学会活動状況
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大会開催報告
平成8年度日本植物病理学会大会は平成8年4月2日から4日にかけて佐賀大学で開催された. 本大会の参加者数は約800人にのぼり, 講演題数は339題で昨年と同数であり, 九州という遠隔地であるにもかかわらず盛大に行われた.
総会は, 例年とほぼ同じ進行で順調に行われた. またNHKが取材に来て総会の模様を夕方のニュースで報じ, 各新聞社の記事が翌日の新聞を飾った. これは, 佐賀県は農業を基礎産業としており, ニュースの少ない地方であり, このような地で開催するメリットであると言える.
本年度より学術奨励賞受賞者3名の講演が一般講演に先立ち行われ, 各会場は大勢の聴衆により埋められた. この試みは今後若い研究者の励みになると思われるので是非続けてほしい. 一般講演は例年の通り,糸状菌2会場, 細菌・薬剤耐性菌・ウイロイド1会場, ウイルス1会場の4会場に分かれて連日午前9時から夕方の6時近くまで熱心な講演と討議が続いた.
中でも分子生物学的手法を利用した講演が例年よりも多く, 今後の学会の方向を示しているように思われた.
懇親会では, 佐賀県知事と佐賀大学農学部長が来賓として出席され, 花を添えていただいた. また会長以下学会主催者, 名誉会員, 永年会員, 学会賞等受賞者の席を演壇の近くに設けたことはなかなかの好評であった.
大会運営委員は料理が足りなくなることをまず第一に心配していたが何とか足り「ホッ」としていたのを覚えている.
大会運営委員として参加者にお詫び申し上げねばならない. それは一般講演の会場が狭く溢れる人を出してしまったことである. 佐賀大学では残念ながら200名程度を収容できる会場を4つまとめて確保することが難しく, 今後地方の大学で開催される場合は5会場にするといったような工夫が必要かもしれない.
また佐賀は例年に比べて肌寒く, 暖房設備の乏しい佐賀大学では寒く感じたようで, 北海道や東北からの参加者に「寒い, 寒い」と言われ戸惑った. 学会懇親会会場(マリトピア)まではバスで参加者を誘導したが, ちょうど夕刻のラッシュ時にぶつかり寒い想いをさせた会員各位には申し訳なく思っている.
最後に, 無事に大会を終了できたのは佐賀県職員のご協九九州・沖縄の大学関係者, 国立試験場関係者, 各県職員, 十日会関係者のご尽力の賜である. 記して感謝の意を表したい. (大島一里)
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研究会開催報告
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植物ウイルス病研究会
植物ウイルス病研究会の第3回シンポジウムが4月5日に九州大学国際ホールで開催された. 参加人員は114名で, 以下の講演の後, 活発な質疑応答がなされた.
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セッション1: 西南暖地で問題にされている植物ウイルス病研究の現状と問題点
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サトウキビのウイルス病(九州農試 花田薫) |
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サツマイモのウイルス病(九州農試 酒井淳一) |
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カンキツのウイルス病(果樹試興津 岩波徹) |
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総合討論(司会: 東京農大 都丸敬一) |
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特別講演:潜伏感染(福岡県保健環境研 森良一) |
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セッション2: 植物ウイルス由来の蛋白質に関する研究の現状と今後の展開
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外被タンパク質の機能(日本たばこ産業(株)遺伝育種研 桑田茂, 九大農 高浪洋一) |
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移行に関与する蛋白質の機能(帝京大理工 渡辺雄一郎) |
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ポリメラーゼタンパク質の機能(農環研 鳥山重光) |
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総合討論 (司会:岩手大農 高橋壮) |
なお, 講演要旨集に残部がありますので, ご入用の方は開催地事務局 (九大農 高浪洋一, TEL.&FAX. 092-642-2835, E-mail:takanami@agr.kyushu-u.ac.jp)までご運絡下さい. (高浪洋一)
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殺菌剤耐性菌研究会
殺菌剤耐性菌研究会の第6回シンポジウムが平成8年4月5日に佐賀大学農学部で開催され, 110名が参加した. 今回は, 茶(野菜・茶試 秋田滋・伊藤陽子), 花き(東北農試 野村良邦)および芝(理研グリーン 矢口重治)が初めて取り上げられ, 病害防除と耐性菌問題について講演がなされた.
また, キュウリ褐斑病菌のベンゾイミダゾール系薬剤耐性(大分農技セ 挾問渉)や九州地域における耐性菌の発生状況と問題点(JA全農 大塚範夫)も紹介された.
本研究会では現在「植物病原菌の薬剤感受性検定マニュアル」の製本化, 耐性菌に関する国内文献集の作成に向けての作業を進めている.
なお, シンポジウムの講演要旨集に残部がありますので, ご希望の方は研究会事務局(農環研 殺菌剤動態研, TEL.0298-38-8326)までご連絡下さい. (石井英夫)
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学会関連各委員からの報告
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日本学術会議微生物学研究連絡委員会報告
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前年度に引き続き, 病原微生物の取扱いについて各学協会の取組みについて検討している. とくに, 人体, 動物感染性微生物の取扱について検討している. |
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植物防疫法に関する植物病原体とその取扱いならびに微生物農薬に関するヒアリング (講師: 農水省農産園芸局植物防疫課総括課長補佐) を行うとともに, 各学協会から微生物移動に関する要望が出された. とくに, 海外からの微生物取り寄せ手続きに要する時間の短縮, 取締対象微生物の見直しが強く要望された. |
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文部省科学研究費補助金制度の内容が平成9年度から下記のように大幅に変更される見通しである.
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一般研究, 総合研究, 試験研究(少額の種目), 奨励研究は基盤研究に一本化される. |
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萌芽研究が創設される. 年齢制限が検討されている模様. |
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一研究者は上記のいずれか一方に申請できる. |
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高額の試験研究は, 日本学術振興会の未来開拓学術研究推進事業に移管される. |
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不採択理由, 審査員名は, 事務量を勘案されながら徐々に開示の方向で検討される. |
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微研連主催の公開シンポジウムを来年4, 5月に東京で開催することが検討されている. 一般向けの微生物科学研究を目的としたシンポジウム「私たちの生活と身近な微生物 (仮題) 」の講演候補者を各学協会が1名ずつ推薦することとなった. |
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文部省研究助成課が,「研究用微生物安全管理ガイドライン」を検討しているという報告があった. 有用微生物の取扱い, 専門家がいない小規模研究施設での微生物取扱に支障が出ない方向で検討するよう要望することとなった. (久能均) |
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日本農学会報告
平成8年度日本農学大会が, 平成8年4月5日東京大学山上会館で行われた. 本年度の日本農学賞受賞者は次の7氏であり, 本学会からは, 加藤 肇氏が受賞した.
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いもち病菌の疫学的および起源学的研究
日本植物病理学会: 元神戸大学農学部教授 加藤 肇
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水田雑草の化学的制御剤とその省力施用技術の開発に関する先駆的研究
日本雑草学会: 宇都宮大学雑草科学研究センター教授 近内 誠登
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熱帯多雨林樹種の生理特性と更新機構の解明に関する研究
日本林学会: 東京大学農学部長 佐々木 恵彦
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伴侶動物の真菌性人畜共通伝染病に関する研究
日本獣医学会: 東京大学農学部教授 長谷川 篤彦
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澱粉の構造に関する研究
日本応用糖質科学会:鹿児島大学農学部教授 檜作 進 |
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地球環境変動に及ぼす農業生態系の影響評価とその対策技術に関する研究
日本土壌肥料学会: 国際農林水産業研究センター環境資源部長 陽捷行
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発酵微生物学の分子生物学的展開一蛋白分泌から免疫・神経へ
日本農芸化学会: 東京大学大学院農学生命科学研究科教授 山崎 真狩
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また, 同日午後「新しい遺伝資源の創造」というテーマでシンポジウムが開催された. 演題および演者は次のとおりである.
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遺伝資源をめぐる世界の動き −植物遺伝資源を中心に−
日本育種学会: 農業生物資源研究所 中川原 捷洋
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遺伝資源としての在来家禽・家畜日本家禽学会: 中京大学 野沢 謙 |
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動物遺伝子機能の多様性と統一性一応用遺伝学の立場から
日本獣医学会: 東京大学 舘 郊
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新しい動物遺伝資源の開発 −畜産業への波及効果を考慮して−
日本畜産学会: 宇都宮大学 村松 晋
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林木における遺伝子のクローニングと形質転換体の作出
日本林学会: 森林総合研究所 田崎 清
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新規な微生物酵素の探索とその高度利用
日本農芸化学会: 富山県立大学 山田 秀明
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今後の学会活動および関連学会開催予定
国際植物病理学会および植物病理学会関連国際会議の報告と案内
科学研究費補助金研究成呆公開促進費(BおよびC)に関するお知らせ
昨年の10月に文部省より上記補助金 (平成8年分) の募集がありましたが, 募集の案内が事務局に届いてから締切まで1ヵ月あまりでした. 今年度も同様に申込の期限までの日数が少ないことが予想されますので, 興味のある方は早めに情報を収集して準備されることをお勧めいたします.
なお, 昨年度の要領を下記に簡単にまとめておきましたので, ご参考にして下さい. 昨年度の公募要領が学会事務局にありますので, 必要とされる方は事務局 (03-3943-6021) までご請求下さい.
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研究成果公開発表(B)
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広く青少年や社会人にわかりやすく普及啓蒙することを趣旨とする. |
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開催日数は原則として1日とする. |
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参加費は徴収しない. |
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実施の期間: 平成8年7月1日 〜 平成9年3月31日 |
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申請限度額: 1件 150万円以内 |
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研究成果公開発表(C)
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日本国内で開催する国際会議であり, 参加者は500人内外, そのうち10分の1程度の外国人研究者が含まれていること. |
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開催日数は原則として2日以上とする. |
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実施の期間: 平成8年7月1日 〜 平成9年3月31日 |
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会員の動静
会員の各種出版物案内
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大畑貫一・荒木隆男・木曽 皓・工藤 晟・高橋廣治編: 作物病原菌研究技法の基礎 −分離・培養・接種−, 日本植物防疫協会, pp.342, 1995, \8,200. |
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日向康吉・羽柴輝良編: 植物生産農学実験マニュアル, ソフトサイエンス社, pp.470, \6,800. |
会員の意見
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研究生活から離れて30年たったが, その後も仕事の関係から植物病理学会等植物防疫関係学会を見てきた. 一方, 植物病理学会は創立80周年を過ぎ, 21世紀まであと5年という時期になった.
さて, 唐突だがここらで, 学会は本当に必要なのか, あるいは学会のあり方について原点にかえってじっくりと考えることも, 将来の発展のため必要ではないかと思う.
最近の学会活動を瞥見した印象を事例的に挙げると, 各自の研究と植物病理学の根幹や病害防除の実際とのかかわり合い等研究の位置付けを常に吟味しているだろうか. DNA関係研究が盛んなことはご同慶の至りだが, 中には, 時流に便乗したようなものもあるのではないか.
一見地味な発生生態研究が少ないのではないか. 農林業の現場からの二一ズに応えているか. 等々の疑問が湧く.
ともかく, 学会のあり方等の基本問題について, 特に, 中堅クラスの研究者に考えていただきたい. 妄言多謝. (栗田年代)
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2年間の学会幹事を終えて
平成6年度は庶務幹事, 平成7年度は会計幹事を担当させていただきました. この期間には学会の全体像および運営の詳細を見る機会がありましたので, その感想を述べたいと思います.
はじめに, 学会の運営が多くの方たちの熱意により行われているということに感銘を受けました. いわゆる「手弁当」での活動が多くあります. しかし, 必要な経費は学会で負担するのが筋と思われますので, 今後は「手弁当」の部分を減らしていっていただきたいと思います.
特に, 退職された方は, すべて自宅での活動となりますのでご苦労が多いようです. また, 学会員の中には国際的に高く評価されている方が多くいらっしゃいますが, 学会あるいは学会報を含む諸活動は, 国際的に十分な評価を受けているとは言えません. これを改善するためにもこのたび設けられた国際対応委員会には期待がかかるところでありますが, 学会のために国際舞台で活動していただく方には, 旅費等の補助をしていただきたいと思います.
8年度の総会では, 各種会費等の値上げをご承認いただきました. 値上げ分を, 例えば上記のようなことにも使っていただくと, 会員の皆様にも値上げを支持していただけるものと思います.
2年間の幹事の間に, 学会の役員の皆様, 事務局の皆様には, 大変お世話になりました. ありがとうございました. (加納健)
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海外留学印象記
昨年3月より1年間, 科学技術庁長期在外研究員として「作物の受ける低温ストレスが病害低抗性の発現と衰退に及ぼす影響の解明」のテーマでカナダ・アルバータ州にあるレスブリッジ研究センターのD.A.Gaudet博士と共同研究を行う機会を得ました. 本研究所はカルガリーの南約240kmに位置し, 西部カナダの穀倉地帯の中心にあります.
厳冬期にはフェーン現象に似たChinookと呼ばれるロッキー山脈から吹き下ろす温風のために, -40℃の最低気温から一夜あけて最高気温が+15℃にまで激変することが頻繁にあります. このような立地条件を反映して, 作物の耐寒性・雪腐病低抗性に関する研究が精カ的に行われています.
研究所の施設や備品に関しては日本の方が表向きは完備していると思いました. しかし, 基本的設備であるグロースチャンバーが充実していて, 150台の大型チャンバーを24時間体制でテクニシャンがメンテナンスを担当していました. 電顕, 統計, 図書館司書, グラフィックデザイン, テクニカルエディター等の研究サポート部門の充実が日本とは最も異なると感じました.
また, ネットワークの利用が進んでいて, オフィスのパソコンからテクニシャンに指示を出すことが出来ました. このように日本と比較すると夢のような環境ですが, 厳しさもひとしおです. 研究者は予算取りと報告のレポート作成に忙しく, 自分で実験はほとんどできません. また, 自力でプロジェクトを立て研究費を調達し, ポスドクやテクニシャンを雇わなければならず, 評価も厳しく一人平均4〜7報以上の論文を1年間に書いているそうです.
研究者の平均年齢は高く, ここ5年間新規採用はないとのこと. 昨年3月, カナダ政府が歳出削減のため国立研究機関の研究員を20%減らす計画を発表しました. これに伴い多くの退職と人事異動が発表され, かなりの混乱がありました. このような厳しい状況の中に第三者として存在した自分を幸運に思うと同時に, 日本の研究体制に関して深く考えさせられる滞在でした. 最後に貴重な在外研究の機会を与えていただいた方々にお礼申し上げます. (中島隆)
学会事務局コーナー
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編集後記
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